ニュースの概要
ストライプインターナショナルのブランドAMERICAN HOLICが、パーソナルカラーの4タイプ(スプリング、サマー、オータム、ウィンター)に合わせて選べるニットとマフラーを発売した。公式ウェブストアSTRIPE CLUBには特集ページが設けられ、パーソナルカラー診断と骨格診断の資格を持つ店舗スタッフが監修している。来店客は6問の簡単な質問に答えるだけで自分のタイプを判定でき、結果に応じて顔まわりが明るく見えやすい色の商品へ案内される。商品そのものの新しさよりも、色選びの迷いを減らす導線を売り場に組み込んだ点が特徴といえる。
引用元: AMERICAN HOLIC、パーソナルカラー別に選べるニットとマフラーを発売(PR TIMES)
分析・見解
色選びの迷いを、買う前に解消する仕掛け
ニットやマフラーは顔のすぐ近くに来るため、色が合うかどうかで印象が大きく変わる。一方で、画面上の色は実物と違って見えやすく、試着もできない。ネット通販で秋冬の小物が選びにくい理由はここにある。今回の特集は、その不安を「診断」で先に取り除こうとするものだ。
診断が6問と短いことも重要である。本格的な診断は対面で時間も費用もかかる。簡易版にすることで、買い物の途中に気軽に試せる入口になる。
資格を持つ店舗スタッフの監修が信頼の根拠になる
診断コンテンツは世の中に多いが、誰が作ったかで説得力は変わる。パーソナルカラーと骨格診断の資格を持つ店舗スタッフが監修した点は、機械的な自動判定との差になる。現場で多くの客に接してきた人の目線が入ると、単なる色分けではなく「この色なら普段の服に合わせやすい」といった実用的な提案に近づく。
ここには、店舗スタッフの知識をネットに移す狙いも見える。接客の上手な人の頭の中にあるノウハウは、これまで来店客にしか届かなかった。それを特集ページという形にすれば、全国のオンライン客に同じ質の案内ができる。
4分類の限界と、それでも広がる理由
パーソナルカラーを4つに分ける方法は分かりやすい反面、粗いという弱点がある。実際には12分類や16分類で見る流派もあり、同じ人でも診断者によって結果が変わることがある。つまり、4タイプは正解というより「選びやすくするための目安」と考えるほうが実態に近い。
それでも広がる理由は、買う側が求めているのが厳密な答えではなく、判断の拠り所だからだ。選択肢が多い売り場では、迷った末に何も買わない人が出る。4つという少ない区分は、その迷いを減らすのに向いている。
見落とされがちな視点は、診断が棚の整理にもなること
独自の見方として、この取り組みは客のためだけでなく、売る側の在庫の整理にも効く。タイプ別に商品を並べ直せば、どの色が足りないか、どのタイプの客が多いかがデータとして見える。色ごとの人気を感覚で追うのではなく、診断結果と購入の組み合わせで追えるようになる。これは次の仕入れや色展開の判断材料になる。
今後は、診断結果を会員情報に紐づけて、次のシーズンの提案に使う流れが増えるだろう。
ビジネスへの影響
返品とカゴ落ちを減らす入口として使える
アパレル通販で返品理由の上位に来るのは、サイズに加えて「思っていた色と違った」というものだ。診断で選ぶ色の範囲を絞れば、この不満は減らしやすい。購入前の迷いが減れば、カートに入れたまま離れる人も減る可能性がある。
自社で取り入れる場合は、まず問いの数を欲張らないことが大切だ。6問程度で終わる形にし、結果の画面から商品一覧へ直接つなぐ。診断で終わらせず、買う行動までの距離を短くするのが要点である。
小さく始めるなら、人とデータの両方を活かす
大きなシステムを作らなくても、始める方法はある。まずは店舗スタッフの知識を文章や写真にまとめ、特集ページとして公開する。反応が良ければ診断機能を足し、結果ごとの売れ行きを記録する。
注意したいのは、診断結果を断定的に伝えすぎないことだ。「この色以外は似合わない」と受け取られると、客の選択肢を狭めてしまう。あくまで選ぶときの目安として示し、好みを優先できる余白を残すと、満足度は下がりにくい。
他業種にも応用できる。化粧品、メガネ、インテリアなど、見た目の相性が購入を左右する商品では同じ考え方が通用する。自社の接客の強みを、ネットで再現できる形に変えられるかが問われている。
